2012年12月11日火曜日

浜寺公園

浜寺公園は、大阪府堺市西区および高石市の沿岸部に広がる大阪府営の総合公園。約5500本の松林で知られる。
○概要
・前史
堺南之橋から南へ約2km、石津川に架かる太陽橋を渡ると紀州街道は内陸へ進路を取り、沿岸部には松林が広がっていた。古来白砂青松で知られた和泉海岸のなかでも特に名高い高師浜の近傍に現在も残るこの松林は、18世紀初頭の宝永年間に和泉国大鳥郡船尾村・西下村・東下村・山内下村・今在家村の5ヶ村の住民らが、防潮のために植えたものが原型となっている。これら5ヶ村は1747年(延享4年)から田安家領となり、1868年(明治元年)に田安家がこの松林を伐採して新田開発を計画。以降二転三転の末、1873年(明治6年)に当地を訪れた大久保利通が、約850本にまで減少してしまった姿を嘆いて堺県令の税所篤に働きかけ、伐採停止が通達された。この時に大久保が詠んだ歌「音に聞く 高師の浜のはま松も 世のあだ波は のがれざりけり」は、『小倉百人一首』にある祐子内親王家紀伊の「音に聞く 高師の浜の あだ波は かけじや袖の 濡れこそすれ」の本歌取りで、園内に『惜松碑』として句碑が建てられている。
○開園後
1873年(明治6年)12月に日本最古の公立公園として開園する。1905年(明治38年)には日露戦争におけるロシア兵俘虜収容所が建てられ、軍艦の模型を作って爆破させるショーや剣客を約500人招いて古代戦闘合戦を行なったり、夜間もイルミネーションで飾ってた[1]。園内のユースホステル北側にロシア兵の霊を鎮める銅像と小泉純一郎総理大臣とロシアプーチン大統領の書名が入った石碑が建っている。なお、この地で亡くなった捕虜が大阪府泉大津市春日町の「春日墓地」内に「ロシア兵墓地」として埋葬されている。公園周辺の旧浜寺町一帯は大正から昭和初期にかけて別荘地となり、夏期は海水浴場として大変な賑わいを見せた。浜寺海水浴場は大阪毎日新聞社と南海電鉄が開設したもので、阪堺線の駅前と言うこともあり、旧堺港南側の大浜公園および大浜海水浴場と並んで一大レジャースポットであった。かつて園内には数件の料亭が営まれており、堺市出身の与謝野晶子が与謝野鉄幹と親しくなった歌会も行なわれ、現在は晶子の句碑が存在する。1945年(昭和20年)から1958年(昭和33年)までアメリカ軍に接収され、解除後わずか3年で泉北臨海工業地帯の埋立造成が始まった。海水浴場は姿を消したが、浜寺公園の松林の保存などを目的に浜寺水路が建設され、辛うじて往時を偲ぶことができる。園内は様々な樹木が育てられており、春には桜の花見客で溢れる。特に有名な松林は、日本の名松100選に選定されており、大規模な松林を守るため、至る所に防火設備が見受けられている。現在では使用されていない1908年(明治41年)に製造されたアメリカ製の消火栓が公園中央を南北に貫くメインストリート沿いに残っている。園内の指定地域では直火は使用できないが火気の取り扱いが許可されており、冬を除いた季節の週末ともなるとバーベキューをしているグループが見受けられる。繁忙期には園内に売店が開かれ、端午の節句には阪堺線浜寺駅前駅側入場口を中心に多数のこいのぼりが設置され、夏には日本のシンクロナイズドスイミングの発祥の地とされる府営浜寺プールに毎日新聞社主催の浜寺水練学校が開講される。浜寺水練学校では日本の古式泳法の研究、実践、伝承が行われている。サッカーJリーグセレッソ大阪の下部組織がユースホステル隣接のグラウンドでサッカースクールを開催している。2003年および2004年の7月31日には、通常大浜公園で毎年行われる堺大魚夜市が一時的に場所を変えて開催された。
○沿革
1873年(明治6年)12月-公園に指定される。
1932年(昭和7年)-財団法人富民協会により園内に農業博物館竣工・開館。
1947年(昭和22年)4月22日-農業博物館建物を転用し高石町立中学校(現・高石市立高石中学校)開校。
○面積
48.4ha
○主な施設
大阪府営浜寺公園プール
レストハウス
ばら庭園(「プリンセスミチコ」と言うバラが栽培されている)
交通遊園(園内を子供汽車で回遊できる)
野球場
サッカー場
テニスコート(浜寺公園内と浜寺水路を渡った対岸の公園内)
アーチェリー場(浜寺水路を渡った対岸の公園内)
大阪府立漕艇センター(浜寺水路がレース場)
大阪国際ユースホステル
○主な催し
浜寺ローズカーニバル1978年5月から開催され地域振興、公園利用促進の祭り
浜寺水練学校
盆栽展
植木市
○字名について
この公園は、堺市と高石市にまたがっており、堺市内の部分は「浜寺公園町」であるが、高石市内の部分は「羽衣公園丁」という地名がついている。
○最寄駅
浜寺公園駅-南海本線
浜寺駅前駅-阪堺電気軌道阪堺線

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。