2020年11月15日日曜日

神足遺跡

 神足遺跡は、小畑川と犬川に挟まれた標高約20mの低位段丘上に立地する旧石器時代から近世までの複合遺跡で、特に弥生時代中期(紀元前1世紀~1世紀)を中心とした拠点的集落遺跡として知られています。集落の周囲には環濠が巡り、内側には竪穴式建物や高床倉庫の立ち並ぶ居住・倉庫域が、外側には方形周溝墓や土壙墓が密集する墓域が形成されていました。集落内から出土したさまざまな形の土器の中には、現在の大阪府や滋賀県から持ち込まれたものもあり、活発な交易があったことがうかがえます。また、神足遺跡から出土する遺物には石鏃、石刀などの磨製石器が多く見られるほか、石器を製作するための材料も見つかっており、集落内には石器の工房があったと考えられます。外にも京都府内では出土例の少ない青銅製の剣も見つかっています。弥生時代遺構にも核時代で集落が形成された痕跡が認められます。長岡京期には神足遺跡の東端を朱雀大路が通り、遺跡の範囲には宅地が広がっていたことが分かっています。


所在地:京都府長岡京市東神足2丁目17-1(長岡第9小学校前)






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