2015年1月9日金曜日

北野家住宅

北野家住宅は昭和3(1928)年、青果商だった北野栄太郎が建設。間口3間、木造3階建ての町屋。切妻造。店舗を兼ねた1階は土間であったが、現在は床が張られている。住居部分の2階、使用人の部屋であった3階は、建築当時の姿のままである。昭和20年3月の大阪大空襲で、周囲の家は全焼。しかし、この建物1軒だけが奇跡的に残った。窓枠や各階につけられた庇の出桁まわりを銅板で覆い、建物の両側にうだつを設けていることなどが、高い防火性を発揮したと思われる。建築当時は高価だった波型のガラス窓もそのまま。また、2階の押入れには、不発の焼夷弾に削られた、大きな穴の開いた内壁を補修した跡が残っている。戦災と再開発で様変わりした市の中心部で、大阪商人の暮らしぶりを今に伝える貴重な建物である。
所在地:大阪府大阪市中央区平野町4-2-6
最寄駅:地下鉄御堂筋線淀屋橋、御堂筋線/四つ橋線/中央線本町駅、京阪電鉄淀屋橋駅


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