2013年9月14日土曜日

マチカネワニ

マチカネワニは、更新世(ミンデル氷期-リス間氷期頃、30-50万年前頃)に日本に生息していたワニ。体長約7メートルの大型のワニである。化石は、1964年5月に待兼山に位置する大阪大学豊中キャンパスの理学部で新校舎建設現場から出土した。発見の発端は、化石の採取に来ていた人見功ほか1人の青年が、見つけた骨片の化石を大阪市立自然史博物館に持ち込み鑑定を依頼したことである。その後の発掘を通して、ほぼ全身の化石が見つかり、ワニの化石であることが判明した。この出土は、日本で初めてのワニの化石発見であった。その後、他の日本各地でも、更新世のワニの化石が見つかっている。全身化石は大阪大学総合学術博物館に保存されているが、レプリカが複数の施設でも展示されている。発掘当時は、体長8mと推定されていたが、その後7m弱であろうと修正された。このワニは、当初はクロコダイル科のマレーガビアル属の新種と考えられ、1965年に出土した地名にちなんでTomistoma machikanenseと命名された。その後の研究により、マレーガビアル属ではなく別属のワニであることが示唆され、ワニに化したと伝えられる豊玉姫にちなんだ属名を冠した学名Toyotamaphimeia machikanensisが提唱されている。なお、ワニ目には複数の科があるがマチカネワニについては属する科がまだ定まっていない。大阪大学のイメージキャラクター「まっち」のほか、大阪大学や豊中市と関連する組織においてマスコット図案化され、学生・市民に親しまれている。また、ワニ学者の青木良輔は中国で見つかったワニの化石はマチカネワニではないかと指摘しており、その残存個体と接した古代中国人によって空想の動物竜の原型になったと推測している。




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