堀川戎神社は、大阪市北区にある神社である。大阪市内および近畿一円では、大阪市内南部の今宮戎神社および兵庫県の西宮戎神社などと共に商売繁盛の神様として知られている。「堀川のえべっさん」として知られ、毎年1月9日から11日にかけて十日戎(とおかえびす)が開催される。
○祭神
蛭児大神(蛭子大神)を主祭神とし、少彦名命・天太玉命を配祀する。
○由緒
社伝によれば、欽明天皇の時代、止美連吉雄が蛭子大神の神託により堀江で玉を得、それを神体として富島に蛭子大神を祀ったのに始まる。当時は瓊見社(たまみのやしろ)・止美社(とみのやしろ)と呼ばれていた。白雉2年(651年)に少彦名命(淡島明神)、大宝3年(703年)に天太玉命を配祀した。
平治元年(1159年)、平治の乱を避けて丹波国何鹿郡山家に遷座した。文和年間に現在地に遷座し、以降、堀川戎社と呼ばれるようになった。明治40年(1907年)、近隣の神社を合祀して「堀川神社」に改称し、村社に列格した。昭和20年に戦災で全ての建物を焼失し、昭和38年(1963年)に本殿が再建された。
○堀川戎の十日戎の起源
江戸時代中ごろより祭礼が盛り上がり、 ミナミの今宮えびすとキタの堀川えびす が大阪の十日えびすを代表するようになる。 また今宮戎、西宮戎と並び、「三大戎」に数えられる。
○祭事
1月9日~11日:十日戎宝の市神事
4月20日:春大祭
11月20日:例祭
○地車稲荷
榎木神社は、堀川戎神社の境内社である。本殿は地車(だんじり)の形をしており、地車稲荷の通称で知られる。木の神・句句廼知神と稲荷神・宇賀御魂神を祀る。元は天満堀川の堀止めに側に榎があり、その根元に木の神・句句廼知神を祀る祠があった。天保10年(1839年)、その地に本殿・拝殿を造営して正式に榎木神社を創建し、堀川戎神社末社の稲生神社の分霊を合祀した。明治40年に神社合祀により堀川戎神社と合併して同社境内に遷座し、11尺×7尺の大地車を本殿として祀った。昭和20年に戦災で焼失し、昭和33年、現在地に地車型の本殿を再建した。かつての榎の大木の根元には吉兵衛という老狸が住んでおり、毎夜、決まった時間に地車囃子の真似をしていたと伝えられる。本殿が地車型なのはそのためである。地車稲荷の神使は狐ではなく狸である。願い事が叶うとその夜に地車囃子が聞こえるとされ、願いが叶ったお礼として地車の模型や絵馬を奉納する習わしとなっている。
○交通
最寄駅:大阪市営地下鉄堺筋線・谷町線南森町駅、JR東西線大阪天満宮駅
○所在地
大阪府大阪市北区西天満5丁目4-17
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