地福寺は大阪府茨木市にある浄土宗の仏教寺院。
○歴史
『桑原山地福寺縁起』によれば、孝徳天皇の御代、中臣鎌足により創建。開基は僧慧隠(恵隠・鎌足の長子定恵の師)。 入鹿暗殺を鎌足が練った所といわれ、毎朝天を拝して蘇我氏打倒を祈り、ついに東方の阿武山山腹に光明を得て、その目的を達したという。もと真言宗の寺であったが、衰退し、天正年間(1573~92年)恵誉流念和尚が再興し、浄土宗に転じる。安威川ダム事業により、水没地となるため、西方高台の代替地に移転となり、平成15年(2003年)に新築。縁起に「摂州嶋下郡桑原山地福寺は大織冠鎌足大臣の草創なり。本尊は千手大悲観世音菩薩長弐尺五寸、両脇は不動、毘沙門いずれも春日明神の御作なり。又、鎌足大臣親筆の影像あり。中尊は鎌足大臣、左は定恵和尚、右は淡海公なり。」とあり、千手千眼観音立像と大織冠像が遺されている。 現在、阿弥陀如来を本尊とす。
○文化財
・石造五重塔
「敬白 奉立石塔一基 冶徳参年(1308年)参月十九日 願主比丘尼生阿□□」と、基礎正面に4行の造立銘がある。 地上高2m、初重四面に舟型に掘り込んだ中に如来形の座像が刻まれた、地元の花崗岩で造られた鎌倉時代の作。 大阪府有形文化財(建造物)(昭和56年6月1日指定)
・天正九年(1581年)銘十三仏板碑
地上高113cm、幅64cm、厚30cm。 板状舟形の地元の花崗岩に、頂上に天蓋を頂く虚空蔵、その下に3体ずつ4段に仏が刻まれている。 市内唯一の十三仏で、茨木市指定有形文化財(工芸)(平成12年5月1日指定)
・天正八年(1580年)銘六地蔵板碑
地上高116cm、幅63cm、厚27cm。 上部に弥陀、下2段に六地蔵座像を刻む。 外枠左右に「天正八庚辰 施主」・「十一月廿四日」と刻銘。 茨木市指定有形文化財(工芸)(平成12年5月1日指定)
・木造千手千眼観音立像(南北朝時代)
観音堂の春日厨子内に、不動明王と昆沙門天の脇侍をしたがえて安置され、かっては本像が本尊であったとみられる。 針葉樹材による寄木造で、玉眼を嵌入。像内脚部背面に康正3年(1457年)、大仏師大宮法眼院芸が修理したとの墨書銘が確認されている。像高86.1cm。
・紙本著色大織冠像(室町時代)
上部に3面の神鏡、緞帳と御簾が掛かる神殿風の設定の中に、中央に大織冠(藤原鎌足)、その左手側に長男の定慧、右手側に次男の不比等が配される。地福寺の寺伝では鎌足自筆とする。89.0×41.2cm。
○行事
春秋彼岸会(3月、9月)
盆施餓鬼(8月3日)
十夜会(11月中旬)
○所在地
大阪府茨木市桑原33-15
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