2018年4月28日土曜日

カーラ・ラガッツァ(Cara Ragazza)

四条通の南座から東に行ったところに、たばこ王・村井吉兵衛が興した村井銀行の祇園支店だった小ぶりな銀行建築があります。四条通側の正面には、いかにも大正末から昭和初期に流行った古典主義様式の銀行建築というべき4本のイオニア式のオーダーが並びます。窓や扉にも装飾されたアイアングリル(金柵)がはめ込まれているのが銀行らしい。村井銀行が破産したあと、株式会社エンマが居を構えていましたが、今はカーラ・ラガッツァ(京都祇園貴賓館)という名前のウェディングとイタリアンレストランになっています。レンガ造り石張り2階建ての国登録有形文化財。なお設計を担当した吉武長一は、米国ペンシルバニア・テクニカルカレッジで建築を学び、村井銀行本店、村井銀行七条支店(セカンドハウス西洞院店)などの銀行建築や安藤記念教会、日本基督教団鎌倉教会、銀座教会(関東大震災で焼失)の教会の設計も手がけた建築家です。
カーラ・ラガッツァ(Cara Ragazza)
旧村井銀行祇園支店 1924(大正13)年
設計:吉武長一
施工:清水組
所在地:京都市東山区四条通花見小路西入ル祇園町南側573-5


0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。