○庚申まいり
四天王寺の南門を南に下ると、わが国最初の庚申といわれる四天王寺庚申堂がある。昔、疫病が流行した際、祈願した僧がお告げを受けたのが正月7日庚申の刻(午後4時)であったことから、庚申祭が行われるようになった。年に6、7回ある庚申の日にはたくさんの参詣客があり、この日に境内でこんにゃくの田楽を北に向かって食べると、身体の痛みが治ると伝えられている。
開催期間:1月7日
場所:総本山四天王寺庚申堂大阪市天王寺区堀越町2-15 電話:06-6771-0066~8 最寄り駅:JR「天王寺」駅下車徒歩8分
○どやどや
四天王寺の修正会では、亀の池の前の六時堂において、元旦より14日まで、一山(いっさん)僧侶による天下泰平・五穀豊饒祈願の法要が営まれる。14日の結願の日に、法要中に祈祷された牛王宝印(ごおうほういん)という魔除けの護符を、お堂の縁の天井から撒き、それを奪い合うという風習がいつの頃からか始まり今日まで続いている。この祭りが「どやどや」である。江戸時代の『摂津名所図会』に「元旦より十四日まで酉の刻六時堂修正会…」とあり、昔は酉の刻(午後6時)から始まり、牛王宝印を投ずるのは夜8時から 9時頃になったが、現在は混乱を避けるため、午後2時すぎから、清風学園、四天王寺羽曳丘中・高校、和泉チャイルド幼稚園の生徒たちや園児たちによって行われている。牛王宝印を押した何百枚もの護符を群衆の中に投じると、それをとろうとして東西より裸の人々がひしめき合う、まことに勇ましい行事である。この護符を柳の枝に差して持ち帰るが、昔はこの枝を稲田に立てておくと、悪虫がつかず豊作になったといわれた。「どやどや」の名称は、俗に牛王宝印を受けんとして、どやどやと六時堂に群衆することから起こったといわれている。
開催期間:1月14日
場所:総本山四天王寺大阪市天王寺区四天王寺1-11-18
電話:06-6771-0066~8
最寄り駅:地下鉄谷町線四天王寺前夕陽ケ丘駅下車徒歩2分
○御弓神事
生國魂神社に境内社は11社あるが、それぞれ祭りが催される。城方向(きたむき)八幡宮は北方の大阪城の鬼門を守護するために建立され、古来より方除・厄除の神としての崇敬が厚く、1月13日に御弓神事が行われる。開催期間:1月13日 場所:城方向八幡宮(生國魂神社内) 大阪市天王寺区生玉町13-9
電話:06-6771-0002
最寄り駅:地下鉄谷町線谷町九丁目駅徒歩3分
○堀越神社の節分祭(厄除け祈願祭) 午前11時、巫女により厄除け神事の献湯と神楽奉奏が行われる。昭和の初めまでは節分の当日「さいなんいやいや福こいこい」の杓子 (笹に厄除け杓子をぶらさげたもの)を授与していたが、戦争による物資不足のため途絶えた。
開催期間:2月節分
場所:堀越神社大阪市天王寺区茶臼山町1-8
電話:06-6771-9072
最寄り駅:JR・地下鉄天王寺駅下車徒歩5分
○風邪除け風天尊祭
清水寺は上町台地の高台に位置し、眼下に大阪の町が広がる眺めのよいところにある。三方が崖になり、昔はせりだした舞台(現在は展望台)から大阪湾をはじめ淡路島まで見渡せたという。寛永17年(1640)に延海阿闍梨(あじゃり)によって、京都の清水寺を模して改構された。本尊の十一面千手観世音菩薩を京都の清水寺から迎えた縁により「新清水」とも呼ばれている。2月1日から3日まで、風邪除け風天尊祭が行われる。風天尊は仏法守護の十二天の一つに数えられ、主に風についての願いを聞き届けてくれるという。清水寺に祀られている風天尊は、昔から漁師・大工・農民などの信仰を集めた。明治以後はその数も減り、現在では、病気の風邪を防ぐということも併せ、受験生を含め広く信心されている。お祭りは連日、9時半より4時頃まで行われ、行者による太鼓やホラ貝が鳴り響く中、奉納者の名が呼ばれながら厳かに護摩焚きがすすんでいく。遠方からも大勢参加し、3日間でおよそ千人のひとが集まる。境内南側の崖下には、市内唯一の滝として有名な玉出の滝が流れている。不動明王をまつり、今でも滝に打たれて修行する人の姿が見られる。
開催期間:2月1日~3日
場所:四天王寺支院清光院清水寺大阪市天王寺区伶人町5-8
電話:06-6775-5170
最寄り駅:地下鉄谷町線四天王寺前夕陽ケ丘駅下車徒歩10分
○節分祈願会藤次寺は弘仁年間(810~824)、藤原冬嗣公の発願により甥の任瑞(にんずい)上人が開山。当初は藤治寺と称し、代々藤原氏一門の氏寺として栄えてきたが、近世では特に九條家との関係が深く、九條家永代祈願寺となっている。維新後、生玉十坊中の地蔵院を併合して藤次寺と改称した。御本尊の宝生如来(ほうしょうにょらい)は衆生に福徳をお授けくださる増益の仏様であり、その御利益にあやかって「大阪の融通さん」の愛称で古くから多くの人に親しまれている。毎年2月3・4日の節分祈願会には融通尊御守を授与する行事が行われているが、昔は節分当日にのみ授与していたので、参詣人が群集し、大いに賑わった。当時、御守には赤い金襴守と白い奉書の御守があり、高価な金襴守はその分御利益も永続性があり、白い御守は一年間だけ特に有効という風説が生まれた。もちろん、そんな区別はないが、一部の信者は真剣に信じていたようだ。開催期間:2月3日~4日
場所:如意山藤次寺大阪市天王寺区生玉町1-6
電話:06-6771-8144
最寄り駅:地下鉄谷町線谷町九丁目駅下車すぐ
○針供養・筆供養
十三まいりで有名な太平寺では、2月8日には針供養を行うが、現在は子どもたちの希望で、筆供養も併せて行っている。人間のために己の身をすり減らし、毀損した針や筆に感謝し、虚空蔵(こくうぞう)菩薩のお慈悲を願う優しい行事である。昔はほとんどの家庭で針を使い、また身だしなみとして琴や三味線を習う人も多く、針供養の日にこれらの技芸が奉納された。現在はお琴の献奏と献華・献茶が行われ、針(筆)の供養と技芸上達を祈願する。同日午前には、表千家家元の献茶式に続き全国でも珍しい茶筅供養を行う。あま酒と大茶盛を無料で接待する。開催期間:2月8日(午後2時開始) 場所:護國山太平寺大阪市天王寺区夕陽丘町1-1 電話:06-6779-9133 最寄り駅:地下鉄谷町線四天王寺前夕陽ケ丘駅下車すぐ ○十三まいり徳川時代、江戸では子どもの成長を祝して七五三の行事を行ったが、京・大阪などでは13歳の成人を祝し、虚空蔵(こくうぞう)菩薩に知恵と福徳の授与を願う十三まいりが盛大に行われていた。太平寺では境内に虚空蔵菩薩をまつり、古くから「十三まいり」で有名である。お祭りは明治以前は3月13日のみだったが、現在は3月13日(新暦祭)・4月13日(旧暦祭)とその前の土曜日・日曜日に行われている。旧暦祭の前の日曜日(大祭)が最も賑わい、一日中参詣者で溢れる。祈祷の太鼓の音が轟き、境内の桜の木の下には野点の席が設けられ、大阪着物の女王も参詣し、彩りを添える。また、昔は近所の菓子屋で自分の好きな13種のお菓子を買いお供えして持ち帰る風習もあったが、今は境内で13種のお菓子を詰めた「十三智菓」が売られている。この日に自分が生涯使う「数珠」を買ってもらう。開催期間:3月13日、4月13日とその月の第2土日曜日 場所:護國山太平寺大阪市天王寺区夕陽丘町1-5 電話:06-6779-9133 最寄り駅:地下鉄谷町線四天王寺前夕陽ケ丘駅下車すぐ ○浄瑠璃神社の例祭生國魂神社に境内社は11社あるが、それぞれ祭りが催される。浄瑠璃神社は文楽関係物故者を祭神とし、毎年春分・秋分の日が例祭日である。大阪文楽協会から多数参拝して、文楽の発展と加護が祈願され芸道の神として崇敬されている。
開催期間:春分の日・秋分の日
場所:浄瑠璃神社(生國魂神社内) 大阪市天王寺区生玉町13-9
電話:06-6771-0002
最寄り駅:地下鉄谷町線谷町九丁目駅徒歩3分
○家造祖神社の例祭
生國魂神社の境内社のひとつである家造祖(やづくりみおや)神社は、建築業の祖神で土木建設業界の信仰を集め、4月11日には業界多数の参列のもとに例祭が行われる。
開催期間:4月11日
場所:家造祖神社(生國魂神社内) 大阪市天王寺区生玉町13-9
電話:06-6771-0002
最寄り駅:地下鉄谷町線谷町九丁目駅徒歩3分
○一心寺の定例納骨法要
一心寺の発祥は、今からおよそ820年前の文治元年(1185)の春。当時、四天王寺の別当職にあった慈鎮和尚の招きで、浄土宗宗祖・法然上人がこの地を訪れ、古くは荒陵と呼ばれていた現在地に草庵を設け、「荒陵の新別所」と呼んでしばらくの間滞在したことによる。一心寺が賑わいを見せるのは江戸時代。当時商都として発展する大阪には、各地から大勢の人が移り住んだ。故郷を後にした人々は、宗派を問わず納骨を受け付け、施餓鬼法要をしてくれる一心寺を、自家の菩提寺として親しみを深めていった。そして納められる遺骨が日を追って増えていったため、それを最も丁重にお祀りしようと「お骨仏」が造られた。初めて造られたのは明治21年。以後は、10年毎に一体、納められた遺骨で阿弥陀仏像が造られる。いまや「一心寺のお骨仏」と言えば、人々のひとつのほこりであり、全国各地はもとより、遠く海外からも納骨される。お骨仏の開眼法要は10年に一度、3日間にわたって行われる。お参りする人は十数万人にのぼり、期間中、茶臼山一帯は"一心寺さん"一色に染められる。前回が平成9年だったので、次は平成19年に第13期お骨仏が開眼を迎える。また、毎年4月21日には前年度の納骨各家を招いて「定例納骨法要」が営まれる。この時も数万人の人出で賑わう。沿道にはお土産や菓子などの露店が並び、子ども連れでお参りする人も多く、大阪の晩春を彩る風物詩になっている。
開催期間:4月21日
場所:坂松山一心寺大阪市天王寺区逢阪2-8-69
電話:06-6771-0444
最寄り駅:JR天王寺駅下車徒歩10分
○聖霊会舞楽大法要
聖霊会は、聖徳太子の命日、旧暦の2月22日に聖徳太子の御霊をなぐさめるために行われる舞楽大法要で、四天王寺の最も重要な行事の一つである。俗に「おしょうらい」と呼ばれ、古来千年の伝統と格式を誇り、浪速の古典芸能を今に伝える貴重な行事である。明治以降は、毎年4月22日の午後半日の間、境内六時堂とその前の亀の池上の石舞台を中心として、厳粛な法要と華麗な舞楽の渾然一体となった一大絵巻が繰り広げられる。この大法要は舞楽四箇法要といい、舞台上で舞楽が交互に行われ、現在も旧記に則って、独特の作法をそのまま残している。現在は半日間の催しだが、記録によれば、昔は、寅の一点(午前4時)に始まり、12番半(25曲)の舞楽を舞い、終日かかって演じている。聖霊会は、このように千年以上もの伝統を守りつづけた貴重な文化遺産であり、昭和52年には国の重要無形民俗文化財の指定を受けた。また、聖霊会をはじめ、経供養など四天王寺の大きな行事で催される舞楽を「天王寺舞楽」とよび、兼好法師が『徒然草』に「何事も辺土は賤しくかたくななれども、天王寺の舞楽のみ都に恥じず」と高く評価しているように、古来より優れた技量を誇っていたことがわかる。開催期間:4月22日 場所:総本山四天王寺大阪市天王寺区四天王寺1-11-18 電話:06-6771-0066~8 最寄り駅:地下鉄谷町線四天王寺前夕陽ケ丘駅下車徒歩2分 ○安居神社の大祭(春祭り) 安居神社は祭神に少彦名神、菅原道真公をまつるが、道真公が太宰府に左遷される途中、この地で少し安居(休憩)されたというので安居神社と称したといわれている。また大丸との関わりの深い神社で、大丸天神とも呼ばれている。例年、4月25日の大祭(春祭り)には、大丸をはじめ多くの氏子が参列する。
開催期間 (例年):4月25日
場所:安居神社大阪市天王寺区逢阪1-3-24
電話:06-6771-4932
最寄り駅:地下鉄谷町線四天王寺前夕陽ケ丘駅徒歩10分
○幸村祭
安居神社は真田幸村戦死の地と伝えられ、毎年5月5日には石碑を前にして盛大にお祭り(幸村祭)を行っている。初夏の風爽やかな境内は、白とピンクの平戸つつじが咲きほこり、遠方からも多数の幸村ファンが千羽鶴や花を供える。現在、神事の他色々な奉納祭事が行われている。開催期間:5月5日 (平成21年は5月5日実施) 場所:安居神社大阪市天王寺区逢阪1-3-24 電話:06-6771-4932 最寄り駅:地下鉄谷町線四天王寺前夕陽ケ丘駅徒歩10分 ○三光神社の大祭大阪城の外堀であった空堀の南東の丘陵、上町台地の真田山に鎮座する三光神社。区内でも一番高いところにあるので眺望がよく、大阪城はもちろん、以前は比叡山、生駒、信貴、二上、葛城、金剛などの山々が見渡せた。桜の名所で、4月には花見が楽しめる。古来より日本全国で唯一の中風除けの神としても広く知られており、毎年6月1日から7日までの大祭には、各地からの参拝者が絶えない。また、大阪七福神めぐりのひとつ「寿老神=富貴長寿の神」もまつっている。
開催期間:6月1日~7日
場所:三光神社大阪市天王寺区玉造本町14-90
電話:06-6761-0372
最寄り駅:JR環状線玉造駅下車徒歩5分
○愛染まつり
聖徳太子は四天王寺を建立した際、悲田・敬田・療病・施薬の四箇院を造営した。勝鬘院はそのうちの一つ施薬院跡にあり、聖徳太子がここで勝鬘経を講讃されたという故事からいまは勝鬘院と称している。金堂の御本尊が愛染明王(あいぜんみょうおう)であるため、お堂が愛染堂といわれた。今では勝鬘院全体を指して愛染堂と呼ぶことが多く、「愛染さん」の名で広く親しまれている。境内の多宝塔は豊臣秀吉の再建によるもので、大阪市内で現存する最古の建築物であり、国の重要文化財の指定を受けている。愛染明王の御誓願を頼って、6月30日から7月2日の愛染まつりには大勢の人が集まる。愛染まつりの当日は、ちょうど色街の大紋日にあたり、芸妓たちが盛装して駕籠に乗り参詣した。これが「宝恵駕籠(ほえかご)」の起源となり、芸妓や役者たちが競って提灯を奉納した。この奉納提灯は現在ではマスコミ、金融をはじめあらゆる企業が参加して盛大に行われ、祭りのシンボルとなっている。「前夜祭大パレード」では可憐な「愛染娘」たちの宝恵駕籠行列が見られる。郷土浪速の習わしとして、浪速の「いとさん」たちは、夏のさきがけの愛染まつりの日に浴衣をおろす。愛染まつりが俗に「浴衣まつり」ともいわれる由縁。祭りの日には御本尊が御開帳され、大法要がとり行われる。また、芸能大会も催され、300余の露店も出て、大変な賑わいを見せている。
開催期間:6月30日~7月2日
場所:勝鬘院・愛染堂大阪市天王寺区夕陽丘町5-36
電話:06-6779-5800
最寄り駅:地下鉄谷町線四天王寺前夕陽ケ丘駅下車徒歩2分
○生國魂神社の夏祭り
生國魂神社は、石山崎(現在の大阪城付近)に生島神・足島神を祀ったのが始まりとされる延喜式名神大社である。石山合戦の時焼失したが、天正11年(1583)豊臣秀吉が大阪城を築くにあたり現在の地に移したといわれる。本殿は生國魂造と称し、神社建築上他に例のない様式であり、天正年間の豪壮な桃山文化の遺構が鉄筋コンクリート造りのいまにも伝えられている。生國魂神社では一年を通じていろいろな行事が行われるが、中でも圧巻は、7月11日・12日の夏祭りである。生國魂神社の氏地は天王寺区・中央区からなり、それぞれ、子供神輿・獅子舞い・枕太鼓などが出され、町は祭りの雰囲気でいっぱいになる。東地区には行宮(あんぐう)があり、12日には「渡御祭」が行われる。今では交通事情のため、自動車での「お渡り」になっているが、戦前は千数百人の行列の「お渡り」であったという。枕太鼓を先頭に、神官・役員・御羽車等が車で氏地を回り行宮へ行き、氏子の疫病退散・厄除け開運を祈る。
開催期間:7月11日~12日
場所:生國魂神社大阪市天王寺区生玉町13-9
電話:06-6771-0002
最寄り駅:地下鉄谷町線谷町九丁目駅徒歩3分
○東高津宮の例大祭夏祭り
東高津宮は大阪の氏神様、仁徳天皇を御祭神と仰ぎ、古くは平野社といい、現在の近鉄上本町駅にあったが、昭和7年に東高津町に遷宮された。例大祭夏祭りは7月の海の日の前週の金・土曜日の2日間行われる。金曜日午後5時本殿で宵宮祭が始まり、無病息災の福餅撒き神事が行われる。境内の地車 (だんじり)囃子が威勢よく響きわたり、夜店には子どもたちが賑やかに集まる。拝殿では、参詣者のお神楽奉納が行われ、祭り気分を盛りあげる。土曜日には、清楚な献湯神事や夏大祭のあと、揃いの祭半纏向鉢巻も勇ましい子どもたちによる子供神輿・子供枕太鼓が出発し、一帯を勇壮華麗に巡行する。午後5時無病息災の福餅撒き神事が再び行われ、地車囃子や神楽囃子・夜店の賑わいが渾然一体となり雰囲気も最高潮。午後9時、仕舞い神楽で真夏の祭典は終わりとなる。開催期間:7月16日~17日 場所:東高津宮大阪市天王寺区東高津町4-8 電話:06-6761-2330 最寄り駅:近鉄上本町駅下車徒歩5分 ○堀越神社の夏祭り堀越神社は、聖徳太子が叔父にあたる崇峻(すしゅん)天皇の徳を偲び、四天王寺の守り神として、風光明媚な茶臼山の地に建立された。明治中期まで境内の南沿いに美しい堀があり、この堀を越えて参詣したので堀越という名が付けられたといわれている。また大阪冬の陣、夏の陣の古戦場跡として数々のエピソードも残っている。大阪では「堀越さんは一生に一度の願いを聞いてくださる神さん」との言い伝えもある。夏祭りは7月第3日曜日に本宮祭、その前日の土曜日に宵宮祭が行われる。戦後、地車が氏子中を曳き回し、地車囃子が響き盛大に行われていたが、交通渋滞の理由により中止となった。現在は、子供神輿及び子供布団太鼓が氏子世話役の指導により、午後3時ごろ宮入りして町内を巡る。開催期間:7月第3日曜日が本宮祭、その前日の土曜日が宵宮祭
場所:堀越神社大阪市天王寺区茶臼山町1-18
電話:06-6771-907
最寄り駅:JR・地下鉄天王寺駅下車徒歩5分
○大江神社の夏祭
大江神社は、上之宮・小儀(おぎ)・土塔(どとう)・河堀・堀越・久保の各社とともに天王寺七宮のひとつであり、聖徳太子の創建という。明治40年に上之宮・小儀・土塔が大江神社へ合祀された。夏祭りは7月15・16日に行われる。巡行中の安全を祈願し、御祈祷を受け、午後2時・6時の2回、地車と神輿が椎寺元町・逢坂伶人町・夕陽丘町などを練り回る。16日午前11時より祭りの神事が行われる。午後5時より地車と神輿が五穀豊饒・家内安全・商売繁盛・無病息災を祈願しながら各地区を巡行する。午後9時に宮入りしおえる。最近は子どもの数も少なくなったが、地車や神輿は子どもが中心となって鳴りものの太鼓や半鐘、勇ましい掛け声等を響かせながら練り回る。
開催期間:7月15日~16日
場所:大江神社大阪市天王寺区夕陽丘町5-40
電話:06-6779-8554
最寄り駅:地下鉄谷町線四天王寺前夕陽ケ丘駅下車徒歩3分
○久保神社の夏祭久保神社の久保の地名は窪地の意味で、茶臼山から続く低地であることからきている。また、当社は浪速神楽の家元としても知られている。境内の願成就宮は、聖徳太子の崇敬深く、四天王寺の建立を始め諸事御願が遂げられたため、願成就宮であると称えられたという。7月の第2土・日曜日に夏祭りが行われる。生野区・天王寺区にまたがる氏子、各町会から多数神輿が出され、青年団が勇壮に練り歩く。夜8時から9時頃宮入りし、熱気も最高潮に達する。沿道に立ち並ぶ夜店も祭りの雰囲気を盛りあげる。
開催期間:7月の第2土・日曜日
場所:久保神社大阪市天王寺区勝山2-5-14
電話:06-6771-9482
最寄り駅:JR環状線寺田町駅下車徒歩10分
○五條宮の夏祭り
五條宮は1400年前に創建、白鳳2年敏達天皇を祭祀した。病気平癒・鬼門除・火難除等の神様、また近隣地域の産土神でもある。五條の名は古代難波宮の五條筋に当たることから起こり、大阪における條坊制を唯一伝えている。神木・公孫樹は樹齢約500年。夏祭りは7月15日・16日に行われ、両日とも午後3時に祭儀を執行。4時より6時頃まで氏地各地を500名ほどが参加して、子供神輿と地車が巡行する。境内では梅若流の民謡・鉄砲節の河内音頭などの演芸大会や福引が、特設舞台で賑やかに開催される。夜店も賑やかでアットホームな夏祭りが楽しめる。平成5年からは、氏子の大阪信用金庫の女子職員らによるギャル神輿も加わってますます賑やかになってきている。
開催期間:7月15日~16日
場所:五條宮大阪市天王寺区真法院町24-9
電話:06-6771-5444
最寄り駅:地下鉄谷町線四天王寺前夕陽ケ丘駅下車徒歩5分
○河堀稲生神社の夏季大祭
四天王寺創建と共に、その七宮の一つとして建てられた。河堀は「こぼれ」と読み、延暦7年(788年)和気清麻呂が、河内と摂津の境に川を掘って荒陵(あらはか:今の四天王寺)の南を通し、河内川を西の海へ通す工事をしたことによる。夏季大祭は7月18日(宵宮)・19日(本宮)に行われる。地車は焼失したが、天王寺・阿倍野・生野の各氏子、町会から掛け声も可愛いこども神輿がたくさん出る。すぐ近くの天王寺幼稚園からも、ミニ御神輿が繰り出す。神輿巡行に続いて社殿では神楽が奉納される。寺田町の駅前から約500メートルもの間、両側には夜店がずらりとひしめき、お祭り気分もたっぷり。今後、境内での様々なイベントも多数企画しているという。
開催期間:7月18日~19日
場所:河堀稲生神社大阪市天王寺区大道3-7-3
電話:06-6771-6513
最寄り駅:JR環状線寺田町駅下車徒歩10分
○三光神社の夏祭夏祭りは7月18日の午前8時ごろから本殿で厳かに神幸祭を執り行い、午前9時に総勢約200名が神輿・枕太鼓の渡御に出発する。地域住民の家内安全・商売繁盛などを祈願しながら、玉造本町北・餌差町を経て餌差会館で昼食、午後城南地区の空堀町・玉造本町南・玉造元町(日の出商店街)を経て、午後3時帰宮。祭りは21・22の両日。いずれも午後7時から9時まで。境内特設舞台で歌謡や漫才、カラオケ大会など開催。沿道には夜店が立ち並び、夏祭りの風情を盛りあげる。
開催期間:7月18日、21日~22日
場所:三光神社大阪市天王寺区玉造本町14-90
電話:06-6761-0372
最寄り駅:JR環状線玉造駅下車徒歩5分
○千日まいり一般に千日まいりとは、千日の間続けて神社・仏閣に参詣祈願することをいうが、特定の日に参詣すれば千日お参りした功徳があるという千日まいりもある。四天王寺の千日まいりも観音菩薩の功徳日として8月9日と10日の両日おまいりすれば千日の功徳にあずかるというものである。江戸時代の『難波鑑』(延宝8年刊)に「天王寺千日詣七月十日、この日天王寺へまいれば千日にむかふとて、参詣の群衆大かたならず。」とか、『浪速の梅』(寛政12年刊)には「毎年七月十日は、聖霊を迎ふとて、天王寺へ参ること未明より、老若男女おびただしく群衆す。」とある。いずれも四天王寺の千日まいりへの人々の参詣が大変多かったことを示している。今日では、9日の日には亀の池上の石舞台にて一山式衆による観音供法要が催され、また、両日、境内では千日市と称して、全国各地の民芸品を売る店々が並び、石舞台ではさまざまな催しが行われる。
開催期間:8月9日~10日
場所:総本山四天王寺大阪市天王寺区四天王寺1-11-18
電話:06-6771-0066~8
最寄り駅:地下鉄谷町線四天王寺前夕陽ケ丘駅下車徒歩2分
○大阪薪能
薪能は奈良の春日大社への奉仕として、興福寺の南大門の芝の上で薪明かりの中で能を舞ったのがはじまり。「大阪薪能」は、約450年前の天文15年に生國魂神社の御遷座を祝い演能されたという故事にならい、大阪薪能委員会・能楽協会大阪支部の共催で昭和32年から開催されている。「かがり火」の明かりによって演じられる薪能。そこに映し出される幽玄・神秘の世界は、観る人の心をとらえ、深い感動を与えてくれる。大阪の夏の夜を彩る風物詩としてすっかり定着している。
開催期間:8月11日~12日
場所:生國魂神社大阪市天王寺区生玉町13-9
電話:06-6771-0002
最寄り駅:地下鉄谷町線谷町九丁目駅徒歩3分
○盂蘭盆会四天王寺では千日まいりに続いて、お盆(正式には盂蘭盆会という)が行われる。お盆は、8月の13日に精霊をお迎えし、15日まで各家にて十分な供養ともてなしをし、16日に送り火を焚いてお送りするという、まことに麗しい日本の風習であり、伝統の仏教行事である。四天王寺ではこの期間、各お堂にて各家のご先祖の供養をする。また、8月9日からお盆の終わる16日まで、日没と同時に四天王寺の伽藍内では各家の精霊を供養する万灯ローソクが点ぜられ、灯火のなかに浮かび上がる五重塔や伽藍の壮大な景観はすばらしい。開催期間:8月13日~16日 場所:総本山四天王寺大阪市天王寺区四天王寺1-11-18 電話:06-6771-0066~8 最寄り駅:地下鉄谷町線四天王寺前夕陽ケ丘駅下車徒歩2分 ○地蔵盆私達の身近な仏様として観音菩薩・地蔵菩薩・不動明王の三尊があるが、中でも、「お地蔵さん」とよばれ童話や歌謡曲にも出てくる地蔵菩薩は最も身近なものである。天王寺区内にも、寺院の境内や道路の端、路地の奥、公園の片隅などでひっそりとまつられているお地蔵さんを数多く見つけることができる。現世でのご利益をかなえてくれるお地蔵さん。交通事故が何回も続いた地域でお地蔵さんを安置したところ、それ以後事故がなくなったともいう。地蔵盆は、関西では8月23日から24日にかけて行われる。天王寺区内でも大半がこの間に行われる。地蔵尊を飾りたて、提灯をつけ、花や菓子、果物を供える。子ども達はこれを楽しみに地蔵巡りをする。盆踊りや映画大会、福引、数珠繰り、護摩焚き等のほか、金魚すくい、輪投げ、かき氷、綿菓子、紙芝居と、各町で趣向を凝らした行事が行われ、お年寄りから子どもまで皆が楽しむ、地域に密着した祭りである。最近では子どもや世話人が少なくなり、続けていくのが難しいところもあるが、地域の人々の心が触れ合うほのぼのとしたお祭りである。
・天王寺大道4丁目地蔵尊
大道4-6、大道北公園内 8月23日・24日
旧粉河萬吉地蔵尊
大道3-7、稲生公園内 8月22日・23日
清水地蔵尊
堀越町3-11 8月23日・24日
・大江子安地蔵尊
四天王寺1-14-17 8月23日・24日
子安地蔵尊
四天王寺1-11-93 8月23日・24日
六万体地蔵尊
夕陽丘町4-8、真光院内 8月24日
聖和和光北向地蔵尊
寺田町1-5、寺田町公園内 8月23日・24日
大願王地蔵尊 寺田町1-4、興国高校東 8月23日・24日
平和地蔵尊 勝山3-10-6 8月下旬、土
・日子安地蔵尊
国分町14、国分町公園内 8月23日・24日
・五条将軍地蔵尊
上本町8-9-14 8月23日・24日
勝一延命地蔵尊
勝山1-11-9、真法院内 8月23日・24日
・桃丘延命・子安地蔵尊
石ケ辻町9-5 8月23日・24日
石ケ辻東町会延命地蔵尊
石ケ辻町14-14 8月23日・24日
六万体地蔵尊
上本町6-6-1 8月23日・24日子安地蔵尊
石ケ辻町16-14 8月23日・24日
・生魂発心地蔵尊 上汐4ー2、上汐公園内 8月23日・24日
馬場先三体地蔵尊 生玉前町3-1 8月23日・24日
延命・六地蔵尊 下寺町1-1-30 8月23日
・桃陽方除地蔵尊 東上町4-6 8月23日・24日
細工谷北向地蔵尊 細工谷1-3-32 8月20日~、日曜日を含む2日間
・味原子安地蔵尊 舟橋町17-1 8月23日・24日
北向地蔵尊 味原本町13-20 8月下旬、土・日
子安地蔵尊 味原町6-3 8月23日・24日
福徳地蔵尊 味原町6-22 8月23日・24日
子安地蔵尊 味原町4-1 8月23日・24日
真田山寿福延命地蔵尊 玉造元町3-34 8月23日・24日
子安地蔵尊 玉造元町21-26 8月23日・24日 27
延命地蔵尊 東高津町2、東高津公園内 8月23日・24日玉造本町
北向地蔵尊
玉造本町7-18 8月23日・24日
○彦八まつり近世以来、社寺の境内や門前は漫才や軽口咄などの諸芸能の興業地となったが、生國魂神社の境内にも様々な芸能者が集まってきた。なかでも江戸期の元禄・亨保の頃に上方落語の祖ともいうべき「米沢彦八」が出て名声を博した。その後も名人が輩出して、今日の上方落語の隆盛の礎となった。「米沢彦八の碑」は平成2年9月5日、上方落語協会の総意により、彦八ゆかりの当地の境内に建立された。翌年より彦八の碑建立の意義を後世に伝えるとともに、上方落語の発展を祈る催しとして、「上方はなし・彦八まつり」が行われている。
開催期間:原則として9月の第1土・日曜日
場所:生國魂神社大阪市天王寺区生玉町13-9
電話:06-6771-0002
最寄り駅:地下鉄谷町線谷町九丁目駅徒歩3分
○天王寺区民まつり
大阪市では、昭和48年以降、暖かい心のふれあうまちづくり、健康で創造性豊かな生活の営めるコミュニティづくりに取り組むこととなり、区民まつりは、その一環として昭和49年から各区で毎年7月から11月にかけて実施している。第1回天王寺区民まつりは昭和50年に天王寺区創設50年記念事業の一環として始まり、昭和55年の天王寺区コミュニティ協会の設立により、コミュニティ協会主催事業として続けられている。毎年7月の最終の日曜日に五条公園で行っていたが、平成13年の第27回より9月の第2日曜に行っている。区民まつりは「愛染さん」に始まる天王寺の夏を彩る伝統的な夏祭りとは一味ちがった手づくりの新しい夏祭りとして定着し、区民のわが町意識や連帯感の高揚に大きな役割を果たしてきた。区民まつりは、区民が企画し実施する、区民が自らつくりあげる祭りであり、そのため、区内各種団体や官公署、企業等ははやくから会合や準備を重ね、それぞれ趣向を凝らした催しものや「飲んで食べて遊べるコーナー」「くらしのコーナー」を設けている。音楽隊の演奏・バトントワリング・子供神輿・フォークダンス・民踊・盆踊りなどが、午後3時から8時まで会場一杯に繰り広げられている。おでんやジュース・子どもの遊び・交通安全など30を超えるコーナーには、大きな人の輪ができる。例年約2万人の人出で賑わい、子どもからお年寄りまでにこやかな笑顔に出会える楽しい祭りである。
開催期間:9月の第2日曜日
事務局:天王寺区コミュニティ協会大阪市天王寺区生玉寺町7-57
電話:06-6771-9981
最寄り駅:地下鉄谷町線四天王寺前夕陽ケ丘駅下車徒歩3分
○紙衣さんのお衣替え
四天王寺万灯院は伽藍の西南の隅に北向きに建つ入母屋造、丹塗りのお堂で、創建は聖武天皇の勅願によるという。現在の万灯院は、昭和20年の大阪大空襲で焼失した後にもとの椎寺薬師堂を移建した。本尊はもと千手観音であったが、移建落慶の折り、十一面観音坐像をお迎えした。特に、紙衣の羅漢、つまり紙衣仏をおまつりすることから「かみこ堂」とも呼ばれる。この羅漢、五百羅漢の一人で難病に苦しみながら紙の衣を着て修行したといわれ、その死に際して、病苦に悩むものが自分を念じたならば、必ず直してやろうという誓願をたてられたという。これは全国でも四天王寺だけといわれ、病気平癒を祈願する多くの人々が参詣する。万灯院では、古来10月10日に「法華十講(ほっけじゅっこう)」という法要が修されたが、現在はこの日に十一面観音供法要が執り行われる。また、この日には、紙衣仏のお衣替えの式が行われ、一年間着せてあった紙衣を新しいものに替える。この時参詣された人はその衣を着せてもらい、これを3年続ければ病気になっても、また、臨終の時でも人にあまり世話をかけないといわれている。
開催期間:10月10日
場所:総本山四天王寺万灯院大阪市天王寺区四天王寺1-11-18
電話:06-6771-0066~8
最寄り駅:地下鉄谷町線四天王寺前夕陽ケ丘駅下車徒歩2分
○鞴(ふいご)祭り
生國魂神社の境内社のひとつである鞴(ふいご)神社は鍛冶の神をまつり、11月8日の鞴(ふいご)祭りで日本美術刀剣保存協会の刀匠による刀剣鍛練神事が奉納される。
開催期間:11月8日
場所:鞴(ふいご)神社(生國魂神社内) 大阪市天王寺区生玉町13-9
電話:06-6771-0002 最寄り駅:地下鉄谷町線谷町九丁目駅徒歩3分
○義士祭り
吉祥寺は万松山吉祥寺と号し、禅宗永平寺を開いた道元禅師を祖とする。寺は赤穂藩主浅野家の祈願所であり、藩主長矩(ながのり)侯は江戸参勤の途中必ず立ち寄って休息し、寺の護持に尽くしたという。当時の住職縦鎌和尚は赤穂の出身で、長矩侯とも親交があった。義士の墓は元禄の頃より多くの人々の厚い真心によって現代まで祀り続けられており、戦災を免れ現存する貴重な歴史的遺産となっている。義士祭りは戦争を境にして一時途絶えていたが、昭和28年、講和条約締結の年に「青少年の心に火を灯す運動」の一環として大阪義士会が結成され復興した。義士祭り当日(※)は、午前 10時より吟詠や奉納武道、奉納太鼓、奉納落語等が行われ、お昼から子どもたちの可愛い四十七義士時代行列が寺を出発する。また、名物「討入そば」の接待もある。(※平成22年から第2日曜日となっている。)
開催期間:12月第2日曜日
場所:万松山吉祥寺大阪市天王寺区六万体町1-20 電話:06-6771-4451
最寄り駅:地下鉄谷町線四天王寺前夕陽ケ丘駅下車徒歩3分
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