東大禅寺は大阪市住吉区にある黄檗宗の寺である。弁天塚古墳(前方後円墳と推定されている)は小字名の山ノ中より山ノ中古墳とも呼ばれ、現在その墳丘上に東大禅寺が建ってある。江戸時代の『東摂陵墓図誌』に拠ると「古塚 在住吉郡住吉村 字辨天塚 立木雑樹少ヽアリ由緒 不明」と記されており、この当時まだ東大禅寺は建立されていなかった。なお建立された年月は未明である。さて東大禅寺では、本尊の毘沙門天を本堂に祀り、その脇侍に向かって左側には善膩師童子を、右側には毘沙門天の妻とされる吉祥天を置く。その他に本堂には隠元禅師像、荼枳尼天(だきにてん)像を安置する。(※なお大阪市の有形民俗文化財に荼枳尼天像が登録されたことをうけ、修復のために外部に持ち出されており、現在安置されていない。)本尊の毘沙門天像の背後には厨子があり、そこに弘法太師が造ったと伝わる木造の毘沙門天像1柱が安置されている。なおこの厨子は数年に一度しか開帳されないため、普段この像を拝観することはできない。この像について教えていただいた際に、廃寺となった住之江区安立の亀林寺でも毘沙門天を祀っていたことを思い出した。毘沙門天自体を祀る寺院はあまり多くはないので、実はこれらは同じ像ではないのだろうか、とふと疑問を抱いた。東大禅寺では関帝や華光菩薩をはじめとする伽藍神像は安置していない。やはり菩提寺と比べるとやはり規模が小さいことが要因の一つではないか、と考える。
所在地:大阪府大阪市住吉区万代6丁目13-9
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