ここは西国街道と多田街道とが交差する、いわゆる「辻」といわれた場所で、そこに置かれた道標が辻の碑です。碑は自然石に銘文を刻んだ物で、高さ92㎝、幅76㎝、鋭角な部分を上にして据えられています。現在では表面の下部が大きく剥がれ落ちていますが、上部に1行「従東寺拾里」(拾里は約40km)の5文字が残っています。江戸時代の文献「摂津名所図解」(1798年刊行)には、この辻が摂津国東端の関戸、西端の須磨、北端の天王、南端の大小路からそれぞれ7里(約28㎞)の距離にあることが刻まれていたとあり、この地が摂津国の中央に位置していたことが分かります。碑が建てられた年代は明らかでありませんが、当時既に下方の文字が読み取ることが出来なかったと記されています。
所在地:兵庫県伊丹市北伊丹1丁目89番地
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