2018年11月10日土曜日

京都御苑

京都御苑は京都府京都市上京区にある国民公園。京都御所の周囲の地区を指す。
○概要
京都市の中心部に位置し、東西南北を寺町通・烏丸通・丸太町通・今出川通に区切られた区域。東西約700メートル・南北1300メートルの範囲で総面積は92ヘクタール。そのうち環境省が管理する国民公園である京都御苑は65ヘクタールにおよぶ。 現在は京都御所、仙洞御所、京都大宮御所の築地内は宮内庁が、2005年4月に開館した京都迎賓館は内閣府が、それ以外は環境省が管理している。多くの木々が生い茂る公園内には、京都御所、仙洞御所、京都大宮御所、宮内庁京都事務所、皇宮警察本部京都護衛署などの宮内庁・皇宮警察関連の施設をはじめ、公家屋敷の遺構、公園の管理を行う環境省京都御苑管理事務所のほか、グラウンドやテニスコートもあり、市民の憩いの場になっている。
○歴史
京都御苑の地には、江戸時代には200あまりの公家屋敷が立ち並んでいたところ(公家町)で、その歴史は豊臣秀吉が大規模な都市改造の一環として堂上公家をあまねく禁裏(御所)周辺に移住させた天正年間にさかのぼる。ただし、近年の研究では公家の集住政策は織田信長から引き継いだもので京都の改造とは直接的な関係はないこと、新家の設立による土地不足や経済的な問題によって全ての堂上公家がこの地域に住めた訳ではなかったことも指摘されている。 明治になると明治天皇に従って多くの公家が東京へ移り、華族制度の発足と共にすべての華族の東京移住が義務付けられたことで、公家屋敷はもぬけの殻となり御所周辺は急速に荒廃していった。この状況を憂慮した岩倉具視は、旧慣保存のためにもなることを理由に明治10年(1877年)御所の保存を建議した。これを受けて京都府は御所を囲む火除け地を確保することを目的に、軒を連ねる旧公家屋敷の空家の撤去と跡地の整備を開始した。これが京都御苑の始まりである。 当初は周囲の土塁と堀を整備するにとどまったが、その後も整備は徐々に進められ、明治16年(1883年)に御苑の管理が京都府から宮内省に移管され後も続けられた。大正天皇の大礼が京都御所で行われることになると整備は急進展を見せ、建礼門前大通に大規模な改修工事が施されてほぼ現在の姿になった。戦後宮内省が解体されると、昭和24年(1949年)には厚生省の管理運営のもと御苑は国民公園となった。昭和46年(1971年)に各省庁で環境や公害に関係する部署を統合して環境庁が創設されることになると、厚生省の大臣官房国立公園部も環境庁に移るとこになり、これに伴い御苑も同庁の所轄となった。これが環境省に引き継がれて今日に至っている。
○自然
京都御苑内には500種以上の植物がある。苑内には約5万本の樹木が生育しており、多くは明治以降に植栽されたものである。マツ、ケヤキ、シイ・カシ類、イチョウなどのほか、ウメ、モモ、サクラ、サルスベリなどの花の咲く木も多く、これら多彩な樹々が御苑の風格と四季の彩りをなしている。また、スミレ、タンポポどの草花やキノコ類も多く見られる。キノコ類は400種以上が確認されており、一年を通じて観察できる。苑内には生物も多く見られる。野鳥の観測地として知られ、100種以上の野鳥が確認され、そのうち約20種は苑内で繁殖されている。代表的な鳥としてはアオバト、ビンズイ、トラツグミ、ゴイサギなどがあげられる。昆虫類も多く見られ、チョウ類55種、トンボ類26種、セミ類8種などが確認できる。苑内には、自然に親しむ場所として「母と子の森」「トンボ池」「出水の小川」などが整備されているほか、「母と子の森」内の「森の文庫」では植物や生物など自然についての本が置かれたり、閑院宮邸跡の収納展示室で自然や歴史について解説とともに学ぶこともできる。こうした環境が京都市内の中心部にあることで、散策や花見のほか、バードウォッチングや自然観察会などに多くの人が訪れる場となっている。
○その他
京都の住民は、京都御苑の区域を指して「御所」と呼ぶことが多い。公園内ではのんびりと散歩を楽しむ人やバードウォッチングをする人もいる。御苑の北隣には同志社大学と同志社女子大学(両校とも今出川キャンパス)があるため、ベンチで寝転ぶ学生の姿をよく見かける。また、住民の通り抜けルートにもなっているが、通路部分は舗装されておらず、砂が敷き詰められているため自転車では走りづらい。しかし、自転車の走行跡が砂地にできて走りやすくなっている部分もある。この走行跡は御所の細道と呼ばれることがある。ただし、走行跡は自転車一台分の幅しかないため、対向車が来た場合は譲り合う光景が見られる。 公園内は京都府警や皇宮警察が常に見回りをしていて、京都御所や仙洞御所の塀に近づくとセンサーが反応し、すぐに注意される。公園内への放置自転車が、2010年代に入って目立つようになっている。主に、近隣の京都市営地下鉄丸太町駅の利用者が停めているものと見られている。地元住民からは、公園の美観を損なうなどとして撤去を求める声が強いが、公園内は京都市の撤去条例の対象外となっており、公園管理者である環境省などは対応に苦慮している。
○アクセス
京都市営バス
京都市営地下鉄烏丸線 : 丸太町駅、今出川駅
京阪鴨東線 : 出町柳駅、神宮丸太町駅
○所在地
京都市上京区京都御苑3

http://www.env.go.jp/garden/kyotogyoen/


























































 





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