昔池田市西本町にあった「呉服座」は、現在、明治村に保存されている。この「呉服座」が廃館を決意したのは1968(昭和43)年11月18日である。翌日朝日新聞に1段見出しで廃刊に踏み切った理由が紹介された。原因はテレビの影響を受けて客が入らなくなったからである。当時、入場料は大人140円で、1日最低50人の客があれば、なんとか採算は見合うということであったが、廃業を決意した日の客は、わずか10人であった。「呉服座」が建築されたのは明治7年であると言われているが、正確な記録は残っていない。建物正面の紅殻を塗った格子窓は明治の面影をよく残しており、玄関の軒下には「大衆娯楽」とかかれた畳5枚を連ねたほどの大看板が掛かってかつてはここに役者や演しものに関する看板がかけられていたらしい。
この呉服座は保存運動があったらしいが時代の流れに逆らうことは出来なかった。幸い大衆と歩んだ呉服座の建物の文化財としての価値が認められ、明治村に保存されたのは何よりであった。
所在地:大阪府池田市西本町(呉服橋のすぐ南)
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