淀屋橋は、大阪府大阪市を流れる土佐堀川に架かる、御堂筋(国道25号)の橋。または、橋梁付近の地域名。大阪市北区中之島1丁目と中央区北浜3丁目を結ぶ。国の重要文化財に指定されている。
○概要
元々は土佐堀川に架かる橋の名前だが、その後地下鉄御堂筋線と京阪電車の駅名(淀屋橋駅)とされたことから、駅周辺および中之島東部一帯の地域名にもなっている。中之島には大阪市役所、日本銀行大阪支店があるほか、船場側には日本生命本社や住友村、大阪市の関係機関などのビルが立ち並び、大阪の代表的なオフィス街である。また、橋の南側に位置する淀屋橋交差点に面した土地は、大阪市の中でも非常に高水準の地価となっている(右上側写真の右側、みずほ銀行の入る日土地ビルが建っている場所)。土佐堀川に架かるアーチ型の淀屋橋をはじめ、日本銀行、市役所、中之島図書館、中央公会堂の建物など、景観についても条例などによって規制され維持されている。また、2000年代現在は緩和(50メートル→60-70メートル)されているが、中央区(船場)側の御堂筋沿いのビルの高さは、かつては31メートルに制限されていたため、建物の高さが綺麗に揃ったビル群を見ることができる。その後、大阪市が高さ規制のさらなる緩和を表明。それを受け、淀屋橋交差点南東および南西の区画に超高層ツインビルを建設する計画があったが、着工には至っていない。
○歴史
橋の南西に居を構えていた江戸時代の豪商・淀屋が米市の利便のために架橋したのが最初で、橋名もこれに由来する。米市は橋の南詰の路上で行われていたが、1697年(元禄10年)に堂島へ移った。現在の橋は1935年(昭和10年)に御堂筋拡幅工事の一環として完成した鉄筋コンクリート造りのアーチ橋である。淀屋橋と対になる、堂島川に架かる御堂筋の橋である大江橋も同年完成で、両橋のデザインは1924年(大正13年)の大阪市第一次都市計画事業で公募されたものである。パリのセーヌ川を参考に景観に配慮したデザインは、一部補修された以外は懸架された当時のままで、市の第一次都市計画事業の目指すところを後世に伝えている。2008年(平成20年)には、「大江橋及び淀屋橋」として、コンクリート橋としては珍しく重要文化財に指定された。橋の近くには「淀屋橋港」があり、水上バス「アクアライナー」が就航している。
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