2012年3月7日水曜日

綱敷天神社

綱敷天神社は、大阪市北区にある神社。別名「喜多埜天神(キタのてんじん)」と呼ばれ、梅田キタの氏神さまと慕われている。 また、大阪市北区茶屋町にある綱敷天神社 御旅社(おたびしゃ)(御旅所(おたびしょ)とも言われているが、こちらは通称)があり、角田町には境外社の歯神社(はじんじゃ)がある。
○由緒
創建は平安時代、この梅田の地に嵯峨天皇御行幸あそばされた御縁より、皇子の源融公が天皇崩御ののち御追悼のあまりと縁のこの梅田の地に七堂伽藍を興し、太融寺を創建される。そして嵯峨天皇をお祀りするお社として「神野太神宮」を併せて創建される。後に菅原道真公が無実の罪で太宰府へと御左遷の折、この梅田の地に着かれたところ、一本の紅梅が今を盛りと咲き匂っており、しばしこの梅をご覧になられる為、船の艫綱(ともづな)をたぐりよせ、即席の座席とされた事が「綱敷(つなしき)」の名の由来となる。(網敷は間違い) この時、地元の者より「ゆりわ」なる器に団子を盛りて道真公にすすめられたところ、道真公大いに喜ばれ、今も大事な神事の折にはこの「ゆりわ」に団子を盛りてお供えされている。 また、追従の老臣、度會春彦の孫、春茂以下六名の者を集めさせ、この地に留まるように伝えられる。道真公と離れられる事はつらい事なれど、公直々の御言葉なればお帰りをいつまでもこの地にて待つとして、道真公より白江の名を頂戴し、道真公と別れられる。その後、道真公、太宰府の地にて御昇神あそばされしも、一族、公の愛でられた紅梅の元に小祠を営み梅塚と称して道真公の御霊をお祀りする。正暦4年に道真公の無実の罪が解かれ朝廷より正一位太政大臣を御追贈された折、この小詞と嵯峨天皇をお祀りした「神野太神宮」と併せてお祀りする為に御社殿を建立。今に至るまでその春茂の子孫、白江家は神職として綱敷天神社に御奉仕されておられる。
○祭神
嵯峨天皇(御本社本殿)
菅原道真公(御本社本殿、御旅所本殿)
宇迦之御魂大神(御本社喜多埜稲荷神社、御旅所玉姫稲荷神社、歯神社)
白龍大神(御本社白龍社)
猿田彦大神(御本社白龍社)
○祭事
1月1日 歳旦祭
1月2日 筆始祭
1月3日 元始祭
1月7日 若菜祭
1月15日 御粥祭(とんど祭)
2月3日 節分祭
2月11日 紀元祭
2月15日 祈年祭
2月25日 梅花祭
5月5日 玉姫稲荷神社例祭
5月15日 喜多埜稲荷神社、白龍社例祭
6月4日 歯神社例祭(歯ブラシ感謝祭)
6月25日 御誕辰祭
6月30日 夏越大祓
7月7日 七夕祭(御旅所)
7月15日 例祭
10月15日 秋祭(菊花祭)
11月3日 文化祭
11月23日 新嘗祭(勤労感謝祭)
12月31日 年越大祓、除夜祭
○本社境内末社
喜多埜稲荷神社
白龍社
○境外末社
歯神社
祭神:宇迦之御魂大神(お稲荷さん)
創建:不明
住所:大阪市北区角田町2番8号
○御旅所
綱敷天神社御旅所(梅塚天神)
祭神:菅原道真公
創建:西暦901年(正暦4年)
境内末社:玉姫稲荷神社
住所:大阪市北区茶屋町12番5号
○御旅所境内末社
玉姫稲荷神社
○年表
822年(弘仁13年):<嵯峨天皇兎餓野に御行幸>
843年(承和10年):<源融嵯峨天皇の御廟として神野太神宮を創建>
901年(延喜元年)正月25日:<菅原道真公左遷。その途中、喜多埜の地(のちの梅田、キタ)に立ち寄られ紅梅を観梅。その際に船の艫綱を敷いてご覧になる。これが綱敷の名の由来。その観梅跡を梅塚と称し、従臣、白太夫の孫、春茂ら六人が小祠を祀り、梅塚天満宮と称す。>
993年(正暦4年):<菅原道真公に正一位太政大臣を追贈。この時、菅公の御神霊を勧請し、神野太神宮の地に社殿を建立。併せて嵯峨天皇を合祀し、北野(喜多埜)天神と称する。>
1340年(暦応年間):<南北朝の戦乱に羅災。社殿神宝等焼失する。>
1461年(寛正2年):<当地に一夜にして七本の松が生い出、太融寺の僧、これを京へ告げるに、菅公の御霊験とし、北野天満宮より勅旨を賜り、社殿を再建する。>
1739年(元文4年):<宮座作法規矩制定。白太夫から続く白江家の祠職の筆頭を宗家とする旨が記載され、宮座としての制度が整う。>
1871年(明治4年):<上知令施行により、常安寺と号していた御旅所が破却され、御神霊は才田の地(現在の西天満6丁目付近)に一時的に遷座する。>
1872年(明治5年):<茶屋町の住人より、町の氏神さまとして綱敷天神社御旅所の御神霊をお迎えしたいと敷地の寄進があり、梅田、茶屋町に御旅所を遷す。>
1945年(昭和20年)6月1日:<大阪大空襲により、社殿その他一切を全焼する。かろうじて御神宝の綱と御影は難を逃れる。>
1956年(昭和31年)7月15日:<戦災より御社殿の復興成る。>
○所在地
大阪府大阪市北区神山町9-11

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