2018年12月7日金曜日

北浜長屋

北浜長屋は土佐堀通に南面して建つ木造二階建の二軒長屋です。土佐堀通をはさんで南向いには大阪証券取引所(現大阪取引所)があり、その関係から、もとは株仲買業者の社屋や法律事務所でしたが、現在はレストラン等として活用されています。建物の正面一階は、玄関上にペディメントを付け洋風なしつらえとなっていますが、二階は黒漆喰塗の大壁で窓に観音開きの鋼製防火戸が入り、両端に袖卯建を設けています。こうした和洋折衷のファサードに対して、土佐堀川沿いの背面は全面をガラス窓とした和風の構えとなっています。内部は、建築当初には一、二階とも表側に洋室、裏に和室を配して、表裏で機能分担がなされていました。二階の表側は天井が高く、応接間として使われていたと思われ、今も鉄板に装飾模様を打ち出した金属天井が残っています。地下階は煉瓦造で、かつては台所・食堂・洗面所・便所といった町屋の通り庭の機能が集約されていました。今はショップや厨房となっています。北浜長屋は開発の進む市街地にあって貴重な歴史的添景となっています。そのため、登録基準(一) 国土の歴史的景観に寄与しているものとして評価されました。
○建築年代
大正元年(1912)/昭和40年代・平成28年改修
○所在地
大阪市中央区北浜一丁目1-22








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