蟻通神社は大阪府泉佐野市の神社。 蟻通明神とも言う。大国主命を祀る。かつては熊野街道(現在の大阪府道64号和歌山貝塚線に相当)沿いに広大な境内地を有する神社であったが、第二次世界大戦中、明野陸軍飛行学校佐野分教場(佐野飛行場)建設のため現在の長滝地区に移転。規模も縮小した。10月の泉佐野だんじり祭りでは宮入の舞台となる。なお現在、移転前の境内地であった場所の一角には、「蟻通神社跡」と書かれた石碑が建っている。
○伝説
紀貫之ゆかりの神社で、神社の中には紀貫之の像(現在は壊されてしまって設置跡しかない)と石碑が建つ。昔、紀貫之が和泉の国を旅する途中うっかりと蟻通明神の神域に騎馬のまま乗り込んで罰を受ける。馬が倒れたのを見て神の怒りを悟った貫之はとっさに「かきくもり あやめもしらぬ おほそらに ありとほしをおもふべしやは」(二重の意味を読み込んだ歌で、曇り空に星を思うというのが表の意味、裏読みすると無知ゆえに神の怒りを買ったことを謝罪する意味になる)と詠み、神は心を和らげて馬を復活させたという。のちに世阿弥がこの故事を素材に能曲「蟻通」を作曲したため有名になり、笠森お仙を描いた鈴木春信の浮世絵にも背景として取り上げられている。
○アクセス
JR阪和線長滝駅からコミュニティーバスで蟻通神社前下車。
○所在地
大阪府泉佐野市長滝814
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