今年1年ありがとうございました。
2014年12月30日火曜日
2014年12月28日日曜日
金禅寺
大応山金禅寺は豊中市にある黄檗宗の寺である。もとは金寺の支院で、これも村重の乱の兵火で消失したが、1682(天和2)年に黄檗宗の鉄眼上人により再建され、黄檗宗総本山万福寺の末寺となった。金禅寺の本道右前には、三重宝篋印塔がある。書こう眼精で、現在失われている相輪の部分をあわせて、6個の部材から出来ており、傘が3重になった珍しい形式である。基礎の1面には刻銘があり、「貞和五(1349)年」の年号が記されている。この年号は南北朝時代の北朝年号で、南朝の年号の正平4年にあたる。本尊は木造釈迦三尊坐像だが、このほか木造11面観音立像がある。木造11面観音立像は、本堂中央の厨子の内部に、秘仏として安置されている(非公開)。像高145.8㎝で、ヒノキの寄木造である。また、胎内の左太股の辺りに、鎌倉時代末期の年号である「正安2(1300)年」の墨書がある。
所在地:大阪府豊中市本町5-3-64
所在地:大阪府豊中市本町5-3-64
旧新田小学校校舎
新田小学校は、1873(明治6)年、上新田村真覚寺に島下郡片山村一番小学校の分光として創立され、1881年に同村字分銅に移転、さらに1900年に当地に新築移転した。建造当時の図面では、中央に玄関・応接室・職員室が並び、東西両翼に第1・第2教室があり、その前に土間の廊下がある。東に刃物要れと用務員室があり、西には教員住宅が設けられている。明治時代のものとしては珍しい、和風建築の小学校校舎である。1973(昭和48)年に新築移転するまで、子の校舎は使い続けられ、現在は教育会館として保存されている。毎年秋に一般公開を行っており、明治時代の教室風景を再現し、明治~昭和時代の教科書などの教育資料を展示している。また、市民から寄贈された農耕具などの民俗資料なども紹介している。
所在地:大阪府豊中市上新田3-3-1
所在地:大阪府豊中市上新田3-3-1
富田の酒造業
摂津富田は中世末期に、浄土真宗を中心に発達した寺内町である。富田の酒造業は1695(元禄8)年刊行の「本朝食鑑」に「和州南都造酒第一にして摂津・伊丹・鴻池・池田・富田これにつぐ」とあり、当時は酒造が最大の産業であった。1600(慶弔5)年、関が原の戦いで徳川方の食料調達に協力した清水家(紅屋)は、幕府から特権的な酒造株を認められ、酒造を開始した。その後、紅屋を中心に酒造業が発展し、明暦年間(1655~58)には、造酒屋24軒を数え、伊丹・池田と並ぶ、銘酒の産地となった。良質の酒米と富田台地の石灰層から湧き出る地下水を使った富田酒は、江戸までその名を知られるようになった。しかし、江戸時代中期に、西宮・灘の海岸地域に新しく酒造業が成立し、江戸への樽廻船による輸送経路が確立すると、立地条件の悪い富田の酒造業は、衰退して言った。1839(天保10)年には、造酒屋はわずか6軒になったという。現在では2軒の造酒屋が、本照寺や教行寺付近に店を構え、伝統の製法や技術を受け継ぎ、富田酒を守り続けている。
所在地:大阪府高槻市富田6
所在地:大阪府高槻市富田6