松尾寺は、大阪府和泉市松尾寺町にある天台宗の仏教寺院である。山号は阿弥陀山。
○概要
672年(天武天皇元年)に役小角が当地で7日間修法し、霊木を得て如意輪観音を彫り、小堂を建てて安置したことに始まる。その後、泰澄が中興し、熊野、吉野、白山の権現を勧進した。平安時代には当寺に住んでいた河内国の僧尋祐にまつわる奇瑞が『日本往生極楽記』や『今昔物語』などに記されており、鎌倉時代には源頼朝が祈祷所として保護している。松尾寺の最盛期は、南北朝時代から室町時代であり、寺領7000石、寺坊308名、僧兵は数千人を数えたという言い伝えが残っているが、それを裏付ける文書等は現在のところ発見されていない。また、南朝との関係が深く、1336年(延元元年)後醍醐天皇綸旨によって祈祷所となり、以後も南朝から度々祈祷を命じられていたという。南北朝統一後は足利義満ほか代々の将軍も祈願所として、寺領安堵を行ったとされる。下って、織田信長も1577年(天正5年)禁制を下して松尾寺の保護を一旦は約束したのだが、織田信長は、4年後の1581年(天正9年)紀州高野山(現在の和歌山県伊都郡高野町大字高野山)攻めの際に松尾寺も攻撃し、松尾寺を含む阿弥陀山諸堂を丸ごと焼き払ってしまった。現在の松尾寺は、その後、豊臣秀頼の寄進などにより再建されたものである。
○伽藍
本堂
山門
三天堂
不動尊堂
寿老人
首堂
念仏堂
水子地蔵回向堂
鐘楼
○文化財
・重要文化財
絹本著色孔雀経曼荼羅図
宝篋印陀羅尼経 後亀山天皇宸翰 光賢の裏書あり
如意輪陀羅尼経
○交通アクセス
・公共交通機関の場合
泉北高速鉄道 和泉中央駅から南海バス 松尾寺停留所下車、徒歩約10分。
・自家用車の場合
高速道路でのアクセスの場合、阪和自動車道 岸和田和泉ICから一般道で約10分。
○所在地
大阪府和泉市松尾寺町2168
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