西方院は大阪府南河内郡太子町にある浄土宗の仏教寺院。山号は南向山、寺号は法楽寺。寺伝によれば、創立は推古天皇30年(622年)、開基は三尼公(善信尼、禅蔵尼、恵善尼)。本尊は阿弥陀如来と十一面観音菩薩。
○歴史
『河内名所図会』等に見える伝承によれば、622年に聖徳太子が死去した後に出家した三人の侍女、善信(俗名月益、蘇我馬子の娘)・禅蔵(俗名日益、小野妹子の娘)・恵善(俗名玉照、物部守屋の娘)により、聖徳太子廟がある叡福寺の門前にその塔頭として法楽寺の寺号で創建されたといい、聖徳太子作の阿弥陀如来像を本尊として遺髪を納めたと伝わる。以上の縁起から、日本最古の尼寺であるともいう。ただし、『日本書紀』によれば、善信尼は司馬達等の娘で、出家したのは敏達天皇13年(584年)であり、日本最古の尼寺は飛鳥の豊浦寺である。江戸時代初期の寛永16年(1639年)、衰退し荒廃していた寺を蓮誉寿正尼が中興し、名称は西方院と改められた。
○伽藍
本堂-本尊・阿弥陀如来像(聖徳太子作との寺伝がある)、三尼公木像、聖徳太子御二歳像安置
観音堂-本尊・十一面観音菩薩像(恵心僧都作との寺伝がある)安置
聖徳太子御侍女三尼公御廟所
鐘楼
納骨堂
山門
○文化財
極楽浄土変相図
慈雲の遺墨
三尊仏刺繍-中将姫が髪で刺繍したものと伝わる
○札所
新西国三十三箇所第8番札所
○所在地
〒583-0995大阪府南河内郡太子町太子1663
○交通アクセス
近鉄長野線 喜志駅または近鉄南大阪線 上ノ太子駅から、金剛バス太子線・喜志循環線「太子前」バス停下車徒歩3分。
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