素盞嗚神社は兵庫県宝塚市内に7社ある、素盞嗚命を主祭神とする祇園信仰の神社である。 暴れ川として知られた武庫川の本流・支流域に分布している。これらの神社は、江戸時代までは牛頭天王社と称され牛頭天王を祭神としていた。 明治初期の廃仏毀釈により祭神名を素盞嗚命へ改め、社名も素盞嗚を冠した。
○素盞嗚神社 (宝塚市高司)
旧川辺郡蔵人村の村社。
創建時期は不詳。武庫川の氾濫で甚大な被害を受けていた村人が、荒ぶる武庫川を鎮めるため祀ったといわれている。
明治初期、素盞嗚神社へ改称。牛頭天王社を末社とした。
・社殿・境内
本殿:素盞嗚命を祀る。一間社流造?葺(唐破風付)で、享保7年(1722年)の寺社改帳の記載と現在の本殿寸法等が一致することから、江戸時代初期(17世紀初頭)の建立と推定できる。
相殿:本殿の左右にあり、それぞれ天照大神と蛭児大神を祀る。一間社流見世棚造?葺で、17~18世紀の建立と推定される。
末社:牛頭天王社のほか、宗像、金刀比羅、天満など十数社ある。
・祭事
1月1日:元旦祭
1月15日:小正月・しめ縄焼神事
8月4日:夏祭
9月第1日曜日:砂持祭
10月18日:秋祭
12月31日:除夜祭(福火)
・文化財
本殿、相殿の3棟が兵庫県の有形文化財に指定されている。
・所在地・交通
兵庫県宝塚市高司(たかつかさ)2-14-6
阪急今津線小林駅から徒歩18分
○素盞嗚神社 (宝塚市長谷)
旧川辺郡長谷村の村社。弘治年間に現在地へ遷座したと伝えられる。普光寺と同じ境内にあり、神仏習合の典型的な配置である。
・社殿・境内
本殿:近畿地方で数少ない、三間社切妻造平入(一間向拝付)で、江戸時代初期の建立。細部には八阪神社 (宝塚市)と同一の様式が見られる。
長床:本殿前にある舞台で、農村歌舞伎が行われていた。長床の床下をくぐって参拝する、珍しい参道になっている。
宝篋印塔:観応元年(1350年)の銘がある。「波豆石」と呼ばれる流紋岩製。
・文化財
本殿と宝篋印塔が、兵庫県の重要有形文化財に指定されている。
・所在地・交通
兵庫県宝塚市長谷字道谷4
阪急田園バス10・11系統乗車、「長谷公民館前」下車
○素盞嗚神社 (宝塚市上佐曽利)
旧川辺郡上佐曽利(かみさそり)村、下佐曽利村の村社。萬正寺と隣接している。社伝によると、本殿は天正17年(1589年)の建立。正徳年間に改修したと伝えられる。
・所在地
兵庫県宝塚市上佐曽利寺ノ上5
○素盞嗚神社 (宝塚市切畑)
旧川辺郡切畑村(北畑村と南畑村が合併)の村社。願宗寺と隣接している。
・所在地
兵庫県宝塚市切畑字堂山33-1
○素盞嗚神社 (宝塚市小林)
旧川辺郡小林村の村社のひとつで「東氏神」と言われていた。現在の宝塚神社。明治に牛頭天王社から素盞嗚神社へ改称、昭和41年(1966年)に「西氏神」であった日吉神社(旧:山王権現社)と神社合祀し、宝塚神社へ改称した。
・旧所在地
兵庫県宝塚市小林3-4
○素盞嗚命神社 (宝塚市玉瀬)
旧川辺郡玉瀬村の村社のひとつ。満福寺と隣接している。明治に入り須佐之男神社改称、大正14年(1925年)に同じ村社の大己貴命神社(旧:八王子神社)と神社合祀し、素盞嗚命神社へ改称した。
・所在地
兵庫県宝塚市玉瀬字前田1
○素盞嗚命神社 (宝塚市大原野旧川辺郡大原野村の村社。社叢は、宝塚市の天然記念物に指定されている。
社伝では、応永5年(1398年)に牛頭天王像を遷座させたとあり、14世紀には創建されていたと考えられる。その後戦乱で荒廃し、慶安5年(1562年)に牛頭天王社として再興された。明治42年(1909年)、2社の天満神社を神社合祀した。
・所在地
兵庫県宝塚市大原野字南宮1
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