2012年12月28日金曜日

金剛寺

金剛寺は大阪府河内長野市にある真言宗御室派の大本山である。山号は天野山。高野山が女人禁制だったのに対して女性も参詣ができたため、「女人高野」とも呼ばれる。
○歴史
奈良時代に聖武天皇の勅願により行基が開いたとされる。弘法大師(空海)も修行をしたとされている。平安時代末期に高野山の僧・阿観(あかん)が金堂・御影堂などを建立し、再興した。南北朝時代には南朝方の勅願寺とされ、後村上天皇の行在所(あんざいしょ)ともなった。また、北朝の光厳・光明・崇光天皇の行在所とされた時期もあった。その後、戦火にも遭うことがなく、貴重な文化財が数多く残されている。
○建造物
楼門
金堂
御影堂
多宝塔
食堂(天野殿)
鐘楼
摩尼院書院(南朝行在所)
奥殿
観月堂
開山堂
求聞持堂
無量寿院
五仏堂
○鎮守社
金剛寺より国道170号の向こう側の山に鎮守社の丹生・高野明神社がある。
○文化財
境内が国の史跡に指定されている。
・国宝
延喜式神名帳
延喜式第十二残巻、第十四、第十六
剣(無銘、附 黒漆宝剣拵)
・重要文化財
・建造物
楼門
金堂
御影堂
多宝塔
食堂(天野殿)
鐘楼
摩尼院書院(南朝行在所)
・絵画
絹本著色五秘密曼荼羅図
絹本著色弘法大師像
絹本著色虚空蔵菩薩像
絹本著色尊勝曼荼羅図
紙本金地著色日月山水図(六曲屏風)
中世やまと絵屏風の代表作として名高い作品。この屏風に関する史料は殆ど残っておらず、制作時期も15世紀半ばとする説から、16世紀後半とする意見もある。同時期の洗練されたやまと絵屏風にあまり見られない工芸的な手法や、仏画に通じる波の描き方、泥臭ささえ感じる素朴な表現から、大和絵師ではなく絵仏師が描いた可能性がある。山や松、波などが動き出さんばかりに誇張され、その特異で迫力ある造形から美術書などの表紙にしばしば使われ、日本画家の加山又造や山本太郎などが本作を下敷きにした作品を発表している。
・彫刻
木造大日如来坐像<伝運慶作>
木造大日如来坐像(多宝塔安置)
木造降三世明王坐像 伝運慶作、不動明王像と対となる作品で作風から慶派の関与が指摘される
木造不動明王坐像 快慶の弟子、行快の作
銅造観世音菩薩立像
木造二天王立像
木造五智如来坐像 5体
工芸品
蓮花蒔絵経筥
腹巻20領、膝鎧1双
白銅鏡(花鳥文様)
野辺雀蒔絵手箱
金銅柄香炉(附 金銅牡丹文透蓋)
金銅装戒体箱
蓮唐草螺鈿蝶形三足卓
書跡・典籍、古文書
宝篋印陀羅尼経
梵漢普賢行願賛
紺紙金泥法華経 巻第八 藤原基衡願経
紺紙金泥宝篋印陀羅尼経
大般涅槃経 巻第七
楠木氏文書
○交通アクセス
南海高野線および近鉄長野線
河内長野駅から南海バス天野山線「光明池駅行き(1系統)」「槙尾中学校前行き(2系統)」「サイクルセンター行き(4系統)」「天野山行き(特4系統)」のいずれかに乗車し、「天野山」バス停下車すぐ。
○所在地
大阪府河内長野市天野町996

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